【雑記】 修士論文の不要化について

mixiにも書きましたが、気になったので・・・

日本経済新聞より

「大学院、来年度から修士論文不要に 試験などで審査」
http://www.nikkei.com/news/latest/article/g=96958A9C93819695E0E4E2E6EB8DE0E4E3E2E0E2E3E39180EAE2E2E2

文部科学省は26日、大学院で修士論文を作成しなくても修士号を取得できるよう省令を改正する方針を決めた。博士号取得を目指す大学院生が主な対象で、論文の代わりに専攻だけでなく関連分野も含めた幅広い知識を問う筆記試験などを課す。大学院の早い段階から専門分野に閉じこもるのを防ぎ、広い視野を持つ人材を育てる狙い。来年度から適用する。

要約
1.対象は、「主に」博士号取得を目指す大学院生
2.修論を書かなくとも、「博士論文基礎力審査」という試験に合格すれば、修士号を取得可能
3.試験内容は、「筆記と面接」の2つ。主に、以下の2項目を審査する
  ・専門と関連分野の知識
  ・研究を自力で進める力
4.修士課程2年の春〜夏に筆記、冬に面接を行うことを想定する
5.広い視野と能力を持った「専門分野だけでなく応用できる」人材を育てるのが狙い
6.従来方式の「修士論文を提出する」条件は続行

疑問点
【省令改正について】
・対象者は博士号取得を目指す大学院生とあるが、博士号を諦めざるを得ない状況を想定した場合、結局修論を書いておいた方が無難なのではないか?
・とすると、この省令改正は意味があることなのか?

【試験について】
・専門と関連分野の知識について、専門はともかく関連分野の範囲基準は?
・例えば本学の「電子情報工学」ならば、関連範囲は非常に多岐にわたることから、じぇーんじぇん試験内容が想像つかない
・そもそも、関連分野の知識取得を図らない人なんて今どきいるの?
・研究を自力で進める力(笑)

【その他】
・博士課程の取得には、「学会での発表回数や、論文採択数n個以上」といった、各大学それぞれの基準がある。
・大学によっては、修論も執筆論文数に含めるところもあるから、書かないよりかは書いた方がいいんじゃないの?

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文科省が「博士課程にもゆとり教育入れようずwww」っていうことでFAしていい?
真面目に研究していたら、関連分野の知識なんて自然とついてくるものだと思うんだけどなー。
んで、どうしてこうなった原因は、産業界から博士取得者に対して

>「専門分野には詳しいが応用が利かず、使いにくい」

って評価をされたからとのこと(似たようなことをPBLでも扱ったなぁ・・・)?
広い視野と能力をもった人材が応用力を利かせれるっていうのは、何となくわかるけれども、その人材を育成するために、関連分野の試験や審査を行ったり、修論を不要にするっていうのはおかしくね?ってと思う。
そもそも応用って、何に対して言っているのだろうか?
コミュ力?設計能力?業務能力?それよか、他大学との交換留学とか海外研修の義務付けとかを行った方が、よっぽど本人のためになると思うけどな。

どうでしょう?